志垣豊子のコラム

14.「ま、いいか!」。

おばあちゃんと一口に言っても、年齢も様々。
「あら、うっかり!」という失敗を誰でもするわけではないけれど、しかし多くなりました。

その相手が同世代なら、たいていはウフフ、あららで済むのです。
会いましょうねと決めていたお楽しみも、前日に確認の電話をかけておくのはMUST!のおばあちゃんたちです。

5人いれば1人は「あっ、そうだったわね!」という始末なのですから。
当日現れないので(もしや?)と自宅に電話すると本人が「はーい」と出てきてビックリするのです。

それでも、みんなでウフフです。

「あら、うっかりの失敗話」で、最近いささか爆発的に交しあったこと、聞いてください。

「オヨメチャンのお誕生日、うっかり失念!夜お風呂に入っていて、あっと思い出したのよ。
息子の誕生日を忘れてもこっちはいけないって、お風呂から飛び出したわ。でももう11時をまわっているの。
けれどまだ今日の内だと、慌ててメールしました。

大きな文字でHAPPY BIRTHDAY!!!ってね。そうしたら、オヨメチャンからすぐ返ってきたの。
『オカアサン、なんで私の生まれた時間を知ってたのですか?ドンピシャリ、ON TIMEです』って。
彼女の機転に感謝したわあ」

「よくやる失敗なのだけど、ハガキなんかを投函せずに何日も持ち歩く。書いたことで安心しちゃってポストに入れ忘れちゃうの。それをバースデイカードでやっちゃった!

マゴの喜ぶ顔浮かべて早くに用意したのに、当日届くようにバッグに入れて、うっかりそのまま。
呆然としていたら息子からメールが来た。『気を遣ってください。誕生日忘れてないよね』。

詫び状付きで、遅れたカード送ったわ。でも、猛然と息子に腹が立った。
仕事でストレスの多い時期だから、家の中は平和にと思う気持ちは分かるけど、マいいかってやり過ごせないのかね!」

子どもたちの家庭は、おばあちゃんちの何倍速もの時間感覚で動いているはず。
なのに「あら、うっかり」なんてのんびりされると、「気を遣って!」と言いたくなるのも分かるのです。

大家族だったころは、お父さんは「まあ、いいじゃないか」と収める人だったけれど、さあどうしましょう?

(次号に続く)
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志垣豊子 しがきとよこ

DreCome60 grannny net 主宰。
2014年春まで、50代女性の異業種交流ネットワーク「50カラット会議」代表。

60代メンバーが増えたのを機会に、娘たちとのコミュニケーションを考えるgranny net
を開設しました。私には娘と息子に、合わせて3人マゴがいます。小学生と中学生。

歳をとるのは誰も初めて。けれど人類の歴史は長いのです。学べることはたくさんありそう。
自分の生き方と共に、娘たちマゴたちが笑って過ごせる日々のために出来ることを見つけたいと思います。

granny netにはいろいろな職業、失敗も含め子育て体験豊かなおばあちゃんがいます。
例えば、医者、料理研究家、建築家、編集者、心理学者、作家、画家、ファッションデザイナー、 市場調査研究者。みんな笑うこと、喋ることが大好き。

いつまでも誰かと一緒にごはんを食べたいと作った本に、『笑ってごはん』(家の光協)もあります

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