志垣豊子通信第2弾

5. 「待ってて」 きっとくる時間までのウキウキ。

好きな言葉です、「待ってて」。
言う人の思いやりに胸がいっぱいになるのです。
なかなか会えない友だちから、「忙しい、時間がない。待ってて」と言われると、(いいよ、待ってる)。
遠く離れて暮らす子供たちから、「暮れには行こうかな」と言われると、(それまで体に気を付けて)と温かい気持ちで応えている自分がいます。

「待ってて」という言葉には、いつかは来る「その日」「その時」の胸騒ぎが立ち上ってくる優しさがあるのですね。
私とて、待たずにすぐ会えるのが一番ですが、「きっとやってくる時間」までをウキウキ過ごす気分が好きです。
変な例ですが、同輩から「お墓を決めたら、もう後は好きに生きるだけとさっぱりしたわ」と聞きました。
終点に心が安らぐことがあると、人は軽快になれるのでしょう。

けれど若い時は、待てない、待たない日々でした。
「いつか会おうね」の約束を楽しみにするより、「会える日が決まったら言ってね」と、ミもフタもない慌ただしさで応えていた気がします。
仕事に家族に大車輪だった同年代の友人にはそれもよかったでしょうが、老いた親には淋しい想いをさせたでしょうか。

ところで、ちょっと待って!
「待ってて」という言葉、私は言ったことがない!
関西在住の友人から、「イラチやなあ~」と笑われるほどに、私の「待ってて」は「今行くから」の意味だもの。
となると・・・いつから「待ってて」が好きになったのかしら???

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■志垣豊子 しがきとよこ

DreCome60 grannny net 主宰。
2014年春まで、50代女性の異業種交流ネットワーク「50カラット会議」代表。

60代メンバーが増えたのを機会に、娘たちとのコミュニケーションを考えるgranny net
を開設しました。私には娘と息子に、合わせて3人マゴがいます。小学生と中学生。

歳をとるのは誰も初めて。けれど人類の歴史は長いのです。学べることはたくさんありそう。
自分の生き方と共に、娘たちマゴたちが笑って過ごせる日々のために出来ることを見つけたいと思います。

granny netにはいろいろな職業、失敗も含め子育て体験豊かなおばあちゃんがいます。
例えば、医者、料理研究家、建築家、編集者、心理学者、作家、画家、ファッションデザイナー、
市場調査研究者。みんな笑うこと、喋ることが大好き。

いつまでも誰かと一緒にごはんを食べたいと作った本に、『笑ってごはん』(家の光協会刊)もあります。

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