志垣豊子通信第2弾

4.「これから」。 ブータンで考えたこと。

「世界で一番幸せな国ブータンって?」と訪ねたのは、首都のテインプー、唯一の空港があるパロ、17世紀に300年にわたって首都だったプナカです。
飛行機を降り立つと、そこには「龍の国」として受け継がれてきた伝統と揺るぎない王様への信頼が流れるゆったりとした建物がありました。

公的な職場や学校で着用がキマリの衣装は、男性用は「ゴ」、女性用は「キラ」と呼ばれますが、これがまた色彩の優雅さとキリリと無駄のない動きを見せて目を奪いました。
訊けば、女の子たちは「ゴマジックと言うくらい男の人をカッコよくみせる」そう。さもありなん!
「キラ」は巻きスカートと上着ですが、ちょうど試験の最中で登下校する小学生から高校生までの制服は、いずれも色合わせの妙に感心する可愛らしさ、美しさでした。

ブータンは人口約70万人の内15才以下の子供が42%で、「これから」を担う子どもたちの教育、医療に関する費用は全額国が負っています。
1-2キロ歩いての登校は当たり前だし、スクールバスは旧式で工事中だらけの山道を走りますが、どの顔も落ち着いて健やかな笑顔が印象的です。
学校での言語は英語なので、写真を撮りたくて「may I?」といえば「wellcome!」と返って来ます。
子供が笑っている国は、安心して暮らしている証と、ほのぼの。

日本は右を向いても左を見ても「高齢者用」商品や広告が目立ちますが、ブータンでは「なぜ?」と不思議がられました。
ブータンは長寿国ではありませんが、自然と家族に囲まれ、あちこちの小高い丘に建つ寺院や仏塔に守られて、老人は静かに昔ながらの風習で馴染み合っているようでした。
訪問したガイドさんの家も350年続くという農家でも、三世代がやりくりしながら穏やかに過ごす工夫をみせてくれました。

「幸せ」は「足るを知る」ことだとすれば、インターネットの時代に育つ子供たちの欲望を掻き立てる時代の到来を心配する向きはあります。
でも!この国には大きな歯止めがありそうです。
それは生活全体に流れる「守り合う」風習で、なんと歴代の王様たちのぶれない賢さに委ねている安心感を子供たちから感じたからでした。いいなあ。

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■志垣豊子 しがきとよこ

DreCome60 grannny net 主宰。
2014年春まで、50代女性の異業種交流ネットワーク「50カラット会議」代表。

60代メンバーが増えたのを機会に、娘たちとのコミュニケーションを考えるgranny net
を開設しました。私には娘と息子に、合わせて3人マゴがいます。小学生と中学生。

歳をとるのは誰も初めて。けれど人類の歴史は長いのです。学べることはたくさんありそう。
自分の生き方と共に、娘たちマゴたちが笑って過ごせる日々のために出来ることを見つけたいと思います。

granny netにはいろいろな職業、失敗も含め子育て体験豊かなおばあちゃんがいます。
例えば、医者、料理研究家、建築家、編集者、心理学者、作家、画家、ファッションデザイナー、
市場調査研究者。みんな笑うこと、喋ることが大好き。

いつまでも誰かと一緒にごはんを食べたいと作った本に、『笑ってごはん』(家の光協会刊)もあります。

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