志垣豊子のコラム

8.「ダウンロード」 知識の泉が友達だったとき。

手元の辞書には出ていなくて、インターネットで調べたら、ダウンロード(Download)は接続されたコンピュータ間に存在するデータ(ファイルなど) を上流ノードから下流ノードへ転送することを指す。日本語では「落とす」という言い換え方もある。とありました。

「上流から下流に」かあ。確かに!「教えてあげる」と自信満々、頼りになりそう。
コンピューターには、<今更聞けない常識>から<周りには期待できない専門知識>まで、『みんなの事典』風に詰まっていて、24時間対応なのね。
なんでもインターネットで検索して、これぞというデータは「お気に入り」に蓄積するダウンロード。
「面白かった映画ある?」「SFでお薦めは?」「こんな気分の時に聴く音楽教えて」と友だち同士で情報交換しないの?ふーん。

ところで、友達って知識の源じゃなかったですか?
いいことも悪さもみんな友達からヒントを貰って、憧れも反面教師も友達が発端だった。
友達の友達が友達になって、友達の輪が広がったのも、「だったら、こんな友達知ってるから連れてくるね」がきっかけじゃなかったかしら?
仰天知識も悪知恵も、「バッカだなあ!」「すごーい!」とやり取りして、「なんでそんなこと知ってるの?」と根掘り葉掘り聴き、新しい世界に迷い込んだような。
その先に本があり、学校があったような気がします。

が、毎日友達と会うこともなくなった今、インターネットから思いがけない援護をもらっていることに気づきます。
気になる映画や本にどこで出合えるかも、音楽催事の情報も。面白い編み方がないかなあと探ると、なんと動画付きでの親切な指導がありました。
上流からくる「教え」に質問の仕方が分からないので、途中で投げ出すことも多いのですが、ダウンロードって、もくもくとひとりでコトが達成していくのですね。

子供仲間で「博士」と呼ばれていたあの人は、いまどうしているでしょうか?
会いたいなあ!

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■志垣豊子 しがきとよこ

DreCome60 grannny net 主宰。
2014年春まで、50代女性の異業種交流ネットワーク「50カラット会議」代表。

60代メンバーが増えたのを機会に、娘たちとのコミュニケーションを考えるgranny net
を開設しました。私には娘と息子に、合わせて3人マゴがいます。小学生と中学生。

歳をとるのは誰も初めて。けれど人類の歴史は長いのです。学べることはたくさんありそう。
自分の生き方と共に、娘たちマゴたちが笑って過ごせる日々のために出来ることを見つけたいと思います。

granny netにはいろいろな職業、失敗も含め子育て体験豊かなおばあちゃんがいます。
例えば、医者、料理研究家、建築家、編集者、心理学者、作家、画家、ファッションデザイナー、
市場調査研究者。みんな笑うこと、喋ることが大好き。

いつまでも誰かと一緒にごはんを食べたいと作った本に、『笑ってごはん』(家の光協会刊)もあります。

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