志垣豊子通信第2弾

2. 「一生もの」 幸せへのオマジナイ効果あります。

思えば30代40代に、「一生ものだから買うか!」と手に入れたものがあります。
万年筆、腕時計、背もたれに彫刻が施された低めの椅子1脚。
なにかの拍子に見失うと大騒ぎを繰り返し、何度かの引越しにも連れまわした暮らしの相棒です。
どれも、新機能や流行には無関係で、自分ひとりの時間に馴染んでいるものですが、それに触れていれば、かなり幸せというオマジナイ効果が「一生もの」たる所以(ゆえん)でしょうか。

60代を迎えた頃から、当然ながら、モノを買う感覚から「一生もの」に「永く」という意味合いが薄れて、その代わりに「大きなオマジナイ効果」を期待するようになりました。
最近では、ベランダの日除けテント。
トシを取って探した家の条件は「西向き」。ホッと寛ぐ夕方の明るさと夕焼けに包まれたいという望みでした。
引っ越したのは真冬で、おお! 午後の陽射しは延々と暖かく、燃えるような夕焼けに「やったあ!」とはしゃぎました。
が、夏が来て、広く間口を開いた西側からは容赦ない熱射攻勢です。
そこで「これから」の楽しみ確保に頭を巡らせて浮かんだのが、フランスのリゾートマンションでベランダを飾る日除けでした。
その道のデザイナーと技能士に相談して設置した日除けは、午後2時位から夕焼けが始まる日没前まで、真っ白く広がって美しい時間をつくります。
考えてみれば、家も人生を支えるものですが、三遷四遷を繰り返した私は、都度こんな風に大慌ての工夫でしのいで、「一生もの」より「短期決戦」だったようです。

娘たち世代の「一生もの」って何でしょうか?

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■志垣豊子 しがきとよこ

DreCome60 grannny net 主宰。
2014年春まで、50代女性の異業種交流ネットワーク「50カラット会議」代表。

60代メンバーが増えたのを機会に、娘たちとのコミュニケーションを考えるgranny net
を開設しました。私には娘と息子に、合わせて3人マゴがいます。小学生と中学生。

歳をとるのは誰も初めて。けれど人類の歴史は長いのです。学べることはたくさんありそう。
自分の生き方と共に、娘たちマゴたちが笑って過ごせる日々のために出来ることを見つけたいと思います。

granny netにはいろいろな職業、失敗も含め子育て体験豊かなおばあちゃんがいます。
例えば、医者、料理研究家、建築家、編集者、心理学者、作家、画家、ファッションデザイナー、
市場調査研究者。みんな笑うこと、喋ることが大好き。

いつまでも誰かと一緒にごはんを食べたいと作った本に、『笑ってごはん』(家の光協会刊)もあります。

 

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